肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)とは?
肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)とは、肘の外側にある靭帯(外側側副靭帯)が機能せず、肘の関節がグラグラしたり、脱臼しそうになったりするものです。
基本的に、靭帯を損傷したら固定を行いますが、十分な固定ができなかった場合は靭帯が修復されず、靭帯としての機能を失ってしまいます。
肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)の原因について
スポーツをしていて肘が脱臼してしまった場合、肘を整復して関節を元に戻します。
その後、整復しても関節の周りの靭帯は損傷しているため、最低3週間は固定しなければなりません。
しかしながら、関節が元通りになると痛みが激減するため、患者様は治ったと勘違いしてしまい、あまり固定をしないことが多いです。
そうなると、靭帯が十分に修復されず、肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)が発症します。
また、脱臼はしていないが、肘を捻挫し外側側副靭帯を痛めたにも関わらず、施術が十分でなかった場合、同様に肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)が発症しやすいでしょう。
肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)の症状とは?
肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)は、外側側副靭帯を痛めて発症しているため、外側側副靭帯の圧痛(押した痛み)があります。
また、外側側副靭帯は肘が内反(内側に曲げる)しないように抑制している靭帯ですので、肘を内反するとグラグラして不安感を感じるでしょう。
そのほか、手を衝くと肘に内反する力が加わり、肘が抜けそうになることもあります。
肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)は施術すれば改善される?
結論から申し上げますと、肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)は施術で改善することはありません。
施術は「保存療法」といって手術をせずに行う治療ですが、それでは損傷した外側側副靭帯が修復されないため、関節の不安定性は改善できないです。
改善するには手術で靭帯を修復し、関節の不安定性を取り除く必要があります。
急性の靭帯損傷は保存療法が有効で、適切な処置を行えば関節の不安定性なく修復されるでしょう。
まとめ
肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)に対し、保存療法では改善できませんので手術をお勧めします。
手術で靭帯の修復がうまくいけば、関節の不安定性は改善され、日常生活を快適に過ごすことができるでしょう。
手を衝くと肘が抜けそうになる方がいらっしゃいましたら、早めにお近くの医療機関を受診してください。
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